石燈籠を見る

先日の旅行では、初めて石灯籠を興味深く観察した旅となった。

平安時代の平等院鳳凰堂前台石や鎌倉時代の唐招提寺台石は上物は時代が違っていたり、春日大社の柚木型や雲朴型、祓戸型、御間型も部分的に欠けていたり、完全な当時のものとしては残っていなかった。

有楽苑の元庵にある藤村庸軒旧蔵の西之屋型は興味深かった。宝珠が少し大きいようにも感じるが、まあこんなものなのだろう。春日大社の西之屋型とは少し違っているようで、春日大社の灯籠の中台の側面には二区に分かれ走り獅子が彫られているのに対し、藤村庸軒旧蔵の灯籠の中台の側面には四区に分かれ花菱?の模様が彫られていた。(基礎は見るのを忘れていた…)

桃山時代に「露地」が完成してから石灯籠を茶庭に用いられるようになり、模造品が多く作られるようになった。その頃に「名物の燈籠」と呼ばれる石灯籠の手本とすべきものとして十三種選ばれた(築山庭造伝)。その中の一つが、西之屋型だ。

その他には、

・柚木型(重要文化財)

・祓戸型

・水屋型

・奥の院型

・八幡型

・三月堂型(重要文化財)

・般若寺型

・元興寺型

・橘寺型(重要文化財)

・当麻寺型(重要文化財)

・高桐院型

・太秦型

・燈明寺型

その他、二十八基の石灯籠が国の重要文化財として登録されている。(2023.9.20現在,計三十二基https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/index)

灯籠の歴史などを勉強すると、歴史鑑別などができるようになるらしいので面白い。

椿山荘にある般若寺型で鎌倉時代後期のもの。火袋の四面には牡丹や獅子、鳳凰、朱雀が彫られている。

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