庭と繋がる

屋号のサブフレーズにもある「人と庭が繋がる」とはどういったことなのか、今回はもう少し噛み砕いてつらつらと書いていこうかと思います。

遡ること独立する少し前、「自分はどんな庭をつくっていくんだろうか」と漠然と考えていました。
屋号も決めなきゃホームページもつくれないので暫定的でもいいから、今の自分を言葉にして体現しないといけませんでした。

そこでふと、修行元の師匠の言葉がいくつかふわふわと出てきました。

「どんな庭もつくれないといけない」「人と同じことをしない」…そんな感じのことを言われたなあと。

きっとまあ、「庭」という枠で庭をつくっていたら庭をつくる人になるなあと、ふわっと。

そこで、「今まで自分が大事にしてきたこと」「現時点の自分」「将来的なふわっと描いているもの」これらを繋げる必要があるかもしれないなあと考えていきます。

いいものをみる】建築や庭を巡る旅

京都 西芳寺(苔寺)の庭園美を学ぶ

今まで自分が大事にしてきたことの一つに「いいものをみる」という意識があります。

誰でも言ってそうでやってそうなことですが、自分の当たり前の基準値を高く持っておくことが大事かなと思って過ごしてきました。

体験や経験が血となることで、自分が発するものがいいものになっていくかもしれないと妄信しています。

建築や庭をみることはもちろんですが、それを通して提供されるサービスや芸術や景色を、旅をしながらみてきたと思います。

まだみれていないものや今の自分だったら何を感じるのかともう一度見てみたいものもあるので、全く時間が足りないなと感じています。

【雑木の庭と出会】自然の風景と人の暮らしが調和する空間

東京に来る前は、4年ほど造園業界にいましたが、庭のことなど何も知らなかったと感じています。

そもそも雑木の庭という存在すら知りませんでした。

しかし、初めて雑木の庭の中に入った時に感じたことは「これは『庭』ではない」ということです。

今までみてきた、つくってきたものとは違うものがそこにはありました。

表現が難しいのですが「自然の風景の中に人の息遣いがただ感じられる」というだけの空間。

きっとそこには、古典が基礎にあり、自然を深く観察されているからなのだと思います。

【いいものを残す】庭木の剪定の重要性

旅や修行をしてきて、ひとつ自分の中で芽生えたことが「いいものを残す」ということでした。

自分の「作品」を残すということではなくて、人がいいと感じられるものを残していきたいというような曖昧としたものです。

修行先で、庭づくりで一番大事なのは「庭木の管理」だと言われました。

雑木の庭だと特に庭木の管理、剪定が大事になってくるかと感じます。

ぶつ切りにされた木が乱立する山に入って心地よく感じるかということです。

聞けば、戦前までは枝の先を留めるということはしなかったようです。

さまざまな背景があるので全てを否定することはできませんが、美しいと感じられる庭木の管理は多くはないと感じます。

飛石や園路、石組み、流れ、石燈籠(庭園灯)、手水鉢、石造品、植物など庭を構成する要素はいくつもあります。

その中でも植物は、動き続けます。

庭を読み、植物たちと向き合うことで「いいものを残す」ことに繋がると感じています。

拠点を南足柄市に

独立にあたり、「場所」も私にとって重要な要素でした。

縁もゆかりもない南足柄市。

ちなみにホームページのトップの写真は富士見塚から南足柄市を一望した景色です。

周りをに囲われ(箱根山、金時山、明神ヶ岳など)、近くも流れ(丹沢湖から続く酒匂川)、目の前には(相模湾)が広がる。

箱根や富士五湖、熱海、大磯、湯河原、伊豆、伊東など、観光資源に溢れている。

こんなに人と自然が近く交わっている場所があるのかと感じたのです。

そして、ホームページの冒頭にもあるように、「にわ」とは生活環境の全体のことを指すと定義しています。

周辺環境が整うことにより人の生活が豊かになると考えていますので、そこに住まう人たちが周辺地域と繋がっていくことで、いい循環が生まれると信じています。

にわづくりとは

そんなこんなで、かなり大層なことを考えていますが、人と庭が繋がるということをざっくりとお話ししました。

「庭繋」

名前をつけておいていうのもなんですが、なんて読むかもわからないし、音も良くない。

けど、それ以上に「繋がる」ということが私の中でキーワードとして大きかったのです。

最後〆ると、ただ単に「庭」をつくるということではなく、にわを通じて生活が豊かになる愉しみを見つけ、対話をして重ねながらつくっていけたらいいのかなと感じています。

南足柄市 夕日の滝周辺の豊かな自然環境

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